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2009年3月15日日曜日
『図で考えれば文章がうまくなる』ほか2冊
今回のブックレビューは、Arts&Theatre→Literacyの亀田恵子さんにレビュアーにオススメの本を紹介していただきました。
レビュアーにおすすめ、ということで実践的な本をご紹介したいと思います。2005年にダンス評論賞を頂いたときに自分が参照した本を2冊と、ATLの基本姿勢になっている自身にとってはバイブル的な(笑)1冊です。
『図で考えれば文章がうまくなる』久垣啓一 PHP研究所
文章を書きたいときに、私は必ず思いついた言葉のメモとイラストを描きます。まとめるというより、頭の中にあることを紙の上に落書きするだけ。イメージをいきなり言語化することはチョット難しいけど、落書きしてみると不思議と考えがまとまっていきます。お試しあれ!
『原稿用紙を10枚描く力』斉藤孝 大和書房
文章を書くのもマラソンと同じで訓練が大切という斉藤さん。「3の法則」という3つの視点から自分の意見を展開する方法は使えます。1点だと視野が狭くなりがちですし、2つだけの比較だと白か黒かになって強引になってしまう恐れがある。3点ならバランスがいい。例えばゴッホのひまわりについて①黄色の持つ性質とは?②ひまわりという花の一般的な印象は?③花を花瓶に飾るのはどんなとき?という3つの疑問を並べてみて、ゴッホの絵やそれまでいわれている事実関係との間にギャップや意外な部分での一致があれば、それが自分なりの発見になります。レビューは自分の発見を紹介する文章ですから、その3点を絡ませながら発見のプロセスを展開していけばいい。疑問を持つこと、疑問と事実のギャップや意外な一致=発見をどう並べて展開するかが大切です。
『自分の言葉でアートを語る/アート・リテラシー入門』フィルムアート社
レビュアーすべてに捧げたい1冊。美しいグラフィックの数々、デザインされたテキストなど刺激的で魅力的な構成。開いた瞬間からインスピレーションが湧いてくる、実践方法と心得の両方が盛り込まれた良著。ATLがめざす理想がこの1冊に詰まっているといっても過言ではないほど。「表現する鑑賞者」の座右の銘にピッタリ。
亀田恵子(Arts&Theatre→Literacy)ダンスレビューを軸に執筆